出版・著作物研究・教員

経済学部教員による書籍をご紹介します。
2025年

鉄道百五十年史

[分担執筆]原朗(編集委員長:東京大学名誉教授)・老川慶喜(立教大学名誉教授)・島西智輝(経済学部教授)ほか
交通協力会 2025年3月
100,000円+税

2022年、我が国の鉄道は、1872年の創業から150年目の節目を迎えた。顧みれば、創業から50年目には鉄道省により『日本鉄道史』が、また、100年目には国鉄により『日本国有鉄道百年史』が刊行された。また、これら官鉄・国鉄に係る歴史とは別に、民営鉄道各社の社史も数多くみられ、公営鉄道に関しても各自治体の歴史の一部として記録されてきた。『鉄道百五十年史』は、初めての総合鉄道史として、官鉄・国鉄、JR、民営鉄道、公営鉄道の全てにわたる我が国の鉄道150年の経営と技術の歴史を記述した大型企画である。

帝国と私鉄 朝鮮開発をめぐる総督府と日本資本

林采成(経済学部教授)著
京都大学学術出版会 2025年1月
5,500円+税

帝国の版図を形成したのは「私鉄」だった。総督府の政策と財閥の思惑。鉄道経営をいかに展開し、いかに帝国を維持しようとしたのか。植民地私鉄事業の全体像を政策と経営の両面から明らかにする。

カーボンニュートラルの夢と現実:欧州グリーディールの成果と課題

[編著]蓮見雄(経済学部教授)・高屋定美(関西大学教授)編著
文眞堂 2025年1月
3,000円+税

カーボンニュートラルは人類共通の「夢」となった。だが「夢」は、その実現のための具体策が伴わなければ「現実」を変える力とはならない。いま問われているのは、その社会実装である。先頭を走るEUはGXの法整備を着々と進め、企業も適応を迫られている。本書は、エネルギー・環境、産業、金融・財政、市民社会という多角的な視点から、EUの成長戦略=欧州グリーンディールを批判的に検討し、その実効性を問う。
2024年

EU百科事典

[分担執筆]羽場久美子(青山学院大学名誉教授)・田中素香(東北大学名誉教授)・中西優美子(一橋大学教授)編、[編集協力者]蓮見雄(経済学部教授)ほか
丸善出版 2024年12月
24,200 円(税込)

戦乱と対立を繰り返してきた「ヨーロッパ」という地域の統合の試みとして生まれたヨーロッパ連合(EU)。歴史的にも稀有な試みは、「ヨーロッパ」という概念に何をもたらし、またどのようにそれを作り上げてきたのか。欧州統合の取り組みをEU研究の主要三分野たる法律・経済・政治社会に加え、それを支える広範な市民意識や文化・芸術・音楽・宗教・アイデンティティなど、様々な側面から探求する事典。

経済地理学事典

[分担執筆]経済地理学会編 松橋公治(編集委員長:明治大学名誉教授)・松原宏(東京大学名誉教授)・遠山恭司(経済学部教授)ほか
丸善出版 2024年10月
24,000円+税

経済地理学は、世界各地をフィールドとして農業・工業・商業・サービス業・情報産業などの産業や、都市・農村などの地域研究を専攻する地理学者、産業立地論・地域経済論・地域政策論などを研究する経済学者、そして地方自治体・民間研究所などの政策担当者・研究者、さらには全国各地の地理教師などによって、その研究上の方法論的立場を越えて幅広く研究されてきた。多様な視点から産業・地域の分析を行い、現代社会の産業構造変化、地域問題、地域政策、環境問題、国際化などのテーマについて研究の先端とその理論的課題について広く取り上げた、わが国初の経済地理学事典。

図解ポケット 中央銀行デジタル通貨(CBDC)がよくわかる本

下田 知行(経済学部特任教授)
秀和システム 2024年8月
1,100円+税

中央銀行デジタル通貨は劇薬か、良薬か? デジタル国家間競争で金融が変わる!

台湾炭鉱の職場史—鉱工が語るもう一つの台湾

[分担執筆]嶋﨑尚子(早稲田大学教授)・中澤秀雄(上智大学教授)・島西智輝(経済学部教授)・清水拓(早稲田大学講師・任期付)・張龍龍(北京工業大学講師)・笠原良太(実践女子大学専任講師)
青弓社 2024年8月
3,000円+税

台湾炭鉱をひもとけば、石炭産業の機械化以前の原初形態を知ることができ、さらに台湾の歴史や社会を学ぶことができる。本書では、台湾最大だった瑞三炭鉱を中心に戦後の石炭産業を概観して、基本的な知識や情報を提示する。そのうえで、瑞三炭鉱の中心的な人物とその一族の人生を聞き書きで再現して、台湾炭鉱で働いた労働者や家族の仕事と暮らしを描き出す。さらに、炭鉱遺構をめぐる記憶保存と地域再生の現在の動きにも目配りする。台湾炭鉱の労働者とその職場の歴史から、厳しい環境のなかで日々の生活のために協働してきた「誇り」の軌跡をたどり、観光地ではない「もう一つの台湾」を掘り起こす。

日本統治期 台湾の経済、産業発展再考(霞山アカデミー近現代東アジア研究叢書)

[分担執筆]小山三郎責任編集 近現代東アジア研究叢書編集委員会/国立台湾大学歴史学系共編
文明基(韓国国民大学韓国歴史学系副教授)・陳徳智(国立台北科技大学通識教育中心兼任助理教授)・林采成(経済学部教授)ほか

霞山会 2024年5月
2,500円+税

日台関係の源流をたどる 日本・台湾・韓国の研究者が語る日本統治時代台湾の経済、産業の発展

冷戦期東アジアの経済発展:中国と台湾

田島俊雄(東京大学名誉教授)・加島潤(慶應義塾大学教授)・湊照宏(経済学部教授)編著
晃洋書房、2024年3月
6,380円(本体5,800円)

戦後東アジアの経済発展はいかに実現されたのか? 冷戦下の中国と台湾における工業化の軌跡を検証

日本薬業界の先駆者達

安士昌一郎(経済学部助教)著
文眞堂、2024年3月
3,400円+税

本書では、製薬企業へと発展した薬種問屋と、製薬企業の創業者について企業家活動の観点から検討した結果を記述している。薬種問屋の当主である二代塩野義三郎、五代武田長兵衛、十二代田邊五兵衛、そして製薬企業の創業者である星一を取り上げ、環境の変化に対応するトップマネジメントの意思決定と行動を明らかにしている。

金融構造の変化と不安定性の経済学:理論と実証

二宮健史郎(経済学部教授)・得田雅章(日本大学教授)
日本評論社、2024年2月
6200円+税

非線形経済動学の手法も用い、金融構造の変化と不安定性の関係を検討し、構造VARモデルを適用して実証分析を行う。
(立教大学経済学部叢書)

健康朝鮮:植民地のなかの感染症・衛生・身体

林采成(経済学部教授)著
名古屋大学出版会、2024年2月
6,800円+税

スペイン・インフルエンザのパンデミックを経験した植民地は、いかにしてその医療衛生システムを構築し、人々の健康を管理しようとしたのか。学校・工場・農村・軍・遊郭などの実態を、スポーツやレクリエーションも視野にトータルに解明、帝国下での医療の社会化の光と影をとらえた渾身の成果。

地域とつながる中小企業論

長山宗広(駒澤大学教授)・遠山恭司(経済学部教授)・山本篤民(日本大学教授)・許伸江(跡見学園女子大学教授)共著
有斐閣、2024年2月
2,200円+税

日本の企業の99%を占め,多様な中小企業。中小企業の経済的・社会的な役割とその存在意義を,とりわけ地域というつながりの場に見出す。サステナビリティとウェルビーイングの新時代における中小企業の姿を描き出す,未来志向のテキスト。

『シリーズ世界の思想 マルクス 資本論第3巻』

佐々木隆治(経済学部教授)著
KADOKAWA、2024年1月
2980円+税

なぜ金融とプラットフォームばかりが儲かるのか? 儲けの本質を解き明かす
「資本主義的生産は、人間や生きている労働の浪費家である」
『資本論』第1巻の草稿を書き終えたマルクスが次に取り組んだのが、「儲け」のメカニズムに切り込む第3巻だった。産業資本主義が生産し、実現した剰余価値はいかに分配されるのか? 最新の草稿研究によって明快に読み解く解説書の決定版!

不平等の拡大、気候変動対策の停滞、インフレの加速。人々の生活の苦しみが増し、経済システムにたいする批判が高まりつつある今も、資本主義はそのシステムをより強固にしているかに見える。資本家と労働者の間に権力構造が発生するのはなぜか? 現代社会の混沌とした状況を解き明かし、危機を克服するためには、「儲け」のメカニズムを徹底的に分析する第3巻が要となる。マルクスも完成を見ることなくこの世を去った難読の書を明快に解説。
2023年

現代ヨーロッパの国際政治ー冷戦後の軌跡と新たな挑戦

蓮見雄(経済学部教授)分担執筆 広瀬佳一(防衛大学校教授)・小久保康之(東洋英和女学院大学教授)編著
法律文化社、2023年10月
2,800円+税

本書は、激動する現代ヨーロッパの国際政治を、冷戦終焉後の新しい秩序構築の動き(第Ⅰ部)、2010年代以降の様々な争点の展開(第Ⅱ部)、ヨーロッパにとってのグローバルな課題(第Ⅲ部)、という3つの側面から、気鋭の専門研究者が総合的に検討し解説する。本学部蓮見教授は、「グリーンディールと新たなEUの始動-持続可能な社会への移行経路の共創-」を執筆している。

多文化共生社会を支える自治体——外国人住民のニーズに向き合う行政体制と財源保障——

沼尾波子(東洋大学教授)・池上岳彦(経済学部教授)・池谷秀登(立正大学教授)・倉地真太郎(明治大学准教授)・小島祥美(東京外国語大学准教授)・関聡介(弁護士)・関根未来(経済学部助教)[共著]
旬報社、2023年8月
2,200円+税

現在,日本に住む外国人の数は266万人を超える。かれらを地域住民として受け入れ,行政サービスを整える必要に迫られている。ヒアリング・自治体アンケート調査をもとに,国籍・在留資格・居住歴が様々な外国人住民の多様なニーズと行政の課題を探る。多文化共生ソーシャルワーカー・外国人支援コーディネーター・自治体職員・国際交流団体・福祉関係者の職務に役に立つ一冊。

日本的雇用システムをつくる 1945-1995: オーラルヒストリーによる接近

梅崎修(法政大学教授)・南雲智映(東海学園大学教授)・島西智輝(経済学部教授)共著
東京大学出版会、2023年4月
9,800円+税

戦後からはじまる日本的雇用システムの構築過程について、制度構築の当事者たちへのオーラルヒストリーを作成しながら分析をする。日本の雇用関係史を、企業内民主化の過程として把握し、日本社会の「内」にいた当事者の思考と行為の過程を解き明かす。

地方財政を学ぶ〔新版〕

沼尾波子(東洋大学教授)・池上岳彦(経済学部教授)・木村佳弘(桃山学院大学准教授)・高端正幸(埼玉大学准教授)[共著]
有斐閣、2023年3月
2,500円+税

社会保障と税の一体改革,地方創生などが推進され,地方自治体の財政も大きな影響を受けている。また,コロナ禍では自治体の役割の大きさが際立った。複雑な制度をわかりやすく解説して好評の地方財政論テキストを,初版刊行後のこれらの変化をふまえて改訂。

欧州グリーンディールとEU経済の復興

蓮見雄(経済学部教授)・高屋定美(関西大学教授)編著
文眞堂、2023年2月
2,600円+税

カーボンニュートラルを目指す世界で最も体系的な政策=欧州グリーンディール。EUは、新たな成長戦略として欧州グリーンディールを打ち出した。これは、再エネや水素を基礎とした産業への構造転換、マネーをESG投資へと誘導するサステナブル・ファイナンスを通じて、経済復興を実現しようとする世界で最も体系的な政策である。本書は、その全体像と基本構造を明らかにした必読書である。
2022年

企業類型と産業育成 : 東アジアの高成長史

林采成(経済学部教授)・武田晴人(東京大学名誉教授)編著
京都大学学術出版会、2022年12月
4,500円+税

産業構造の変化に着目しなければ、奇跡と言われた東アジアの高成長を捉えきれない。日本の企業集団、台湾の中小企業、韓国の財閥。それぞれに担い手は違えど高度な経済発展を遂げた背景に、企業類型はいかなる影響を及ぼしたのか? 自動車・電子・石油化学・製鉄……各分野の分析から高成長の多様な側面を浮き彫りにする。高成長メカニズム企業類型に着目してみる新たな経済史。

薬学史入門

安士 昌一郎(経済学部助教)共著
日本薬史学会編
薬事日報社、2022年11月発行
2,200円+税

本書は日本の薬学を中心に、古代から現在に至る薬学の歴史を解説した初めての入門書である。薬学教育の歴史、薬剤師職能の変遷、製薬産業の発展と産業を支える多様な職種の歴史、薬事行政と各種法規制の成立の経緯と歴史などを幅広く学ぶことができる。安士は「第4章1節 製薬産業としての勃興」および「年表」を執筆。

有機食品市場の構造分析—日本と欧米の現状を探る—

大山 利男(経済学部准教授)/編著
農山漁村文化協会、2022年2月発行
2,600円+税

有機農業は持続可能な食料システムとして期待され、世界的に有機食品市場の成長が注目されている。欧米諸国では、それらを把握できる数量データの収集・整備が進められ、推計手法についても検討が重ねられてきた。本書はそれらに学びつつ、不十分であった日本国内における有機食品市場の構造把握と市場規模の推計を試みている。
2021年

国策会社の経営史—台湾拓殖から見る日本の植民地経営—

湊 照宏(経済学部教授)
齊藤 直(フェリス女学院大学教授)
谷ヶ城 秀吉(専修大学教授)

岩波書店、2021年3月発行
7,400円+税

「市場性を重視する研究視角と台拓檔案を駆使した実証水準の高さに鑑みて、本書がこれまでの研究水準を超えて新たな国策会社研究のステージを開拓した」(書評『日本植民地研究』第34号、2022年6月、69頁)。 立教大学経済学部叢書。

沈まぬユーロ—多極化時代における20年目の挑戦—

蓮見 雄(経済学部教授)
高屋 定美(関西大学教授)/編著

文眞堂、2021年3月発行
2,500円+税

誕生から20年あまり、ユーロは、世界経済の荒波に翻弄され続けてきたが、危機の度に進化し生き抜いてきた。だが、その前途は多難である。FACEBOOKのリブラ、デジタル人民元など官民を交えた国際通貨競争の時代にユーロはいかに立ち向かうのだろうか。EU経済、ユーロ研究の第一線のエコノミストと研究者がユーロを多面的に解剖し、その将来を占う。

東アジアのなかの満鉄—鉄道帝国のフロンティア—

林 采成(経済学部教授)
名古屋大学出版会、2021年1月発行
7,800円+税

帝国拡大の原動力となり、世界でも最高水準を誇った満鉄の鉄道技術はいかにして伝播していったのか。見過ごされてきた本業・鉄道業の姿をはじめて解明、その経済的・技術的インパクトを数量的に位置づけるとともに、東アジア鉄道システムの形成から、戦後再編の新たな全体像を描き出す。

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