学科紹介立教大学 経済学部/大学院経済学研究科

経済学科

経済の理論と歴史を踏まえ、グローバルな視点から問題分析できる人を育てます。

SKILLS

  • 時代を読む力:理論・歴史・国際系科目を柱に経済学を基礎から応用まで段階的に学ぶことで経済の本質をとらえ、変化の時代を生き抜くための自分なりの経済観を身につけます。
  • 問題解決力:「経済学」や「経済学史」などの基礎科目を学び、経済の理論と歴史的展開を理解することで経済の実態を知り、問題点を洗い出して解決策を探る問題解決力を修得します。
  • 統計分析能力:身近な財や経済組織を事例として取り上げ、消費者物価指数やGDP(国内総生産)、失業率、景気動向指数など の資料分析や文献研究能力を培うことで、統計分析能力を身につけます。

学びの分野・将来像

企業の営業職/シンクタンクの研究員/経済誌の編集者/国連職員/外資系広告代理店/銀行員として企業を育てたい/起業したい/CSR活動に関する部署で働きたい など

授業でわかる経済の世界

社会経済学|佐々木隆治教授

マルクス経済学の基礎理論を学び、利潤最大化を至上目的とする資本主義経済を批判的に見る目を養います。

マルクス経済学の理論をベースに資本主義経済の基本的な構造を学ぶ

マルクス経済学の最大の特徴は、資本主義経済を当然のものとは考えず、いずれ消滅する歴史的な経済システムと捉える点にあります。つまり、利潤のための生産を根本原理とする資本主義システムがどのように生まれ、発展し、そして消滅していくのかを解明するための経済学といえるでしょう。このような経済システムへの見方は、資本主義経済から生まれる諸問題(環境問題、格差、貧困、労働問題)を適切に把握するための示唆を与えます。資本主義の限界が指摘される現在、マルクス経済学の視点はさらに重要になるでしょう。
日本経済史|岡部桂史教授

日本の経済社会の仕組みを歴史的な視点で学び、現代に生きる私たちが直面する諸問題を理解する力を養います。

歴史的な視点から 現代日本の経済社会の構造を理解する

経済学部で歴史を学ぶ意義は、日本の経済社会の仕組みを歴史的な視点から考える思考を養い、我々が直面する諸問題の理解を図ることにあります。最近、「グローバル化」という言葉をよく耳にします。まるで世界はひとつの価値観によって一体化されたような印象を受けるのではないでしょうか。しかし、現実の経済システムは、国家や地域によって極めて多彩に展開し、今日までその多様性は失われていません。日本経済史では、経済発展の多様な経路に注目し、歴史的な視点から日本経済の特徴を浮き彫りにしていきます。
世界経済論|蓮見 雄教授

EU(欧州連合)とアジアにおける地域経 済統合の比較を交えながら、世界経済に ついて多角的に学びます。

経済活動のグローバル化と複雑に絡み合った世界経済を理解する力を養う

世界各国、各地域の経済の発展水準や産業構造は、驚くほど多様でありながら、国境を越える財、サービス、資本、人の移動を通じて、相互に深く依存しています。そのため一国一地域のローカルな問題でも、世界経済との関係を抜きに理解することはできません。世界経済論では世界各地・各種へのデータのアクセス方法を確認し、世界経済を支えるWTO(世界貿易機関)や地域経済統合について学びます。経済活動のグローバル化と生産ネットワークの拡大という視点から、複雑に絡み合った世界経済を解きほぐしていきます。
計量経済学|安藤道人准教授

さまざまなデータを用いて、社会保障政 策や地方財政制度のあり方が社会・経済 に与える影響を検証していきます。

統計学や計量経済学を学ぶことで、来るべき人工知能時代に備える

経済・社会・政治のマクロな動きや、そこに生きる人々のミクロな暮らしを理解するためには、世のなかの事象がどのような因果関係の連鎖の結果として生じているかを理解する必要があります。しかし、普段何げなく口にしている「AだからBになる」という因果関係の存在や大きさ、多様性を科学的・統計的に検証することは非常に難しいもの。統計学や計量経済学を学ぶことにより、私たちを取り巻くさまざまな因果についての思考力・検証力を養い、これからのビッグデータ・人工知能時代に必要な科学的素養を習得できます。

経済政策学科

社会の経済的課題を見極め、解決に向けて政策立案できる人を育てます。

SKILLS

  • 政策立案力:経済と政策の土台となる理論を学び、「経済活動と地球環境との調和の図り方」や「望ましい税制度のあり方」など、社会が直面している課題に対する政策立案力を養います。
  • 公的な視点:民間では対応できない公的課題に対する公共機関の政策内容や、政策決定の過程、決定にかかわる利益団体などを、政治経済学的な視点から分析し、より広い公的な視点を身につけます。
  • 複眼的考察力:さまざまな経済問題に対する具体的な政策について、経済的側面からだけでなく、背景にある政治・社会的側面など多角的な視点から立案の過程を分析する複眼的考察力を磨きます。

学びの分野・将来像

NPO・NGO団体に参加したい/学問としての政策を究めたい/地方活性化を図りたい/国家公務員/政治経済専門ジャーナリスト/政治にかかわりたい/海外で起業したい など

授業でわかる経済の世界

労働経済論|首藤若菜教授

経済学の観点から労働の実態を考察し、それを規定する要因や構造を議論します。労働法の知識や働く者を支える諸制度も解説します。

働くことを考え、 現代社会の構造をみつめる

本授業では「働くこと」を考えます。アルバイトをすれば給料をもらいます。給与が高いか低いかは、どのように決まるのでしょうか。コロナ禍で失業率かが上昇しました。日本の失業率は3% 程度でしたが、アメリカの失業率は約 15%まで上がりました。なぜ、失業状況が大きく異なったのでしょうか。派遣切り、メンタルヘルス、非正規雇用と正規雇用の格差など、労働に関する問題はさまざまあります。大学を卒業して働くときに、自分の労働を客観的に捉え、自分の身を守る能力を身につけてもらいたいと考えています。
比較公共政策論|デウィット・アンドリュー教授

脱炭素で競争力のあるスマート経済を実現するために各国が行っている産業政策などを政治経済学的な視点から分析します。

産業政策を比較し、 脱炭素でデジタル経済への転換を考える

世界中の政府は、気候やエネルギーの課題に対処する一方で、スマートかつデジタルな経済を構築するために奮闘しています。このコースでは、資源が乏しい日本、資源が豊富なカナダ、その他の主要経済国が、公的セクターの財政力・規制力を活用して、企業やその他のステークホルダーとどのように協働しているかを比較します。銅、リチウムやレアアースなどのクリティカルミネラルの持続可能な開発・供給を確保するために、各国がどのような産業政策を行っているかを比較することも重要な研究対象のひとつです。
租税論|関口 智教授

学生からは「疑問が徐々に解きほぐされ る」「さまざまな切り口で、新しい発見 がある」などの声が上がっています。

財政・税制というレンズを通して日本の経済・政治・社会を複眼的に理解する

財政は政府の行政活動を裏付ける、公的な資金調達および資金支出の活動です。租税論は、資金調達活動の部分にあたりますが、単に資金調達の仕組みを理解すればいいというものではありません。講義では、公共サービスの対応関係、企業や家族の動向・反応などを強く意識してもらうようにしています。政府の活動を理解することは、企業や家族の活動を別角度から見ることでもあるからです。財政・税制というレンズを通して、企業や家族の動向を捉え、日本の経済・政治・社会の歴史や現状を認識してほしいと思っています。
中国経済論|厳 成男教授

中国の経済発展が日本経済にとって脅威 なのか機会なのかについての正しい理解 が、講義を通じて得られます。

中国経済の成長メカニズムを探求し、その実態とインパクトを知る

世界有数の経済大国であり、日本における最大の貿易パートナーでもある中国が今、大きな岐路に立たされています。約30年にわたる高成長時代が終わり、中・低成長時代に移行している中国経済は、いかにして成長志向の発展戦略によって蓄積されてきた過剰生産能力、格差、腐敗などのゆがみを修正しつつ、輸出主導型成長から内需主導型成長への転換を達成しようとしているのか。この大転換の背景や実態、およびインパクトに関して、社会経済学(ポリティカル・エコノミー)の理論に基づいて解説します。

会計ファイナンス学科

企業経営に関する幅広い知識を生かして、経済の動きや企業の財務を分析できる人を育てます。

SKILLS

  • 経済分析力:「財務会計論」や「管理会計論」などの会計科目と「コーポレート・ファイナンス」や「証券経済論」などのファイナンス科目を結びつけて学習し、経済を分析する力を身につけます。
  • 経営財務分析力:株価や国債の値段の決め方」「企業買収が起きる理由」など、経営財務に関する問題を考えながら、企業価値の評価方法や企業財務マネジメントを学ぶことで、企業を分析する力を養います。
  • グローバルな視点:外国為替取引の仕組み」や「外国為替市場と為替相場」など、国際金融活動の諸問題を体系的に把握するための知識を学び、国際金融取 引の背景と問題点を考察する視座を得ます。

学びの分野・将来像

公認会計士/税理士/コンサルタント/ファイナンシャルプランナー/ファンドマネージャー/ISO審査官/メーカーで原価管理にかかわりたい/企業財務のプロになりたい など

授業でわかる経済の世界

コーポレートファイナンス|石田惣平准教授

企業価値をどのように評価するか、企業価値を高めるためにはどのような財務戦略をとればよいかといった財務リテラシーを身につけます。

企業価値の評価方法と企業価値を向上させるための財務戦略を考える

グローバル資本主義が進み、企業は企業価値を向上できなければ市場から淘汰される時代になっています。しかし、過去30 年、日本企業は価値創造ができているとはいえません。例えば、米国の代表的な株価指数である「S&P500」は約10 倍に上昇していますが、日本の代表的な株価指数である「TOPIX」はむしろ下落しています。この要因のひとつに財務リテラシーの欠如が挙げられます。講義では、企業価値の評価方法を学び、投資-資金調達—株主還元といった財務戦略の視点から企業価値の向上について考えます。
管理会計論|諸藤裕美教授

会計手法の計算構造だけでなく、企業の戦略、組織構造・文化などに合わせて生成された手法の歴史的背景なども解説します。

経営管理者や従業員をサポートする会計情報のあり方を学ぶ

為替レート、国際情勢の変化など企業を取り巻く環境は不確実性を増しており、企業の経営管理者や従業員はそれらの問題に対処すべく、自律的に考え行動する必要があります。その際に、どの事業や活動に資源を多く配分すべきか、顧客とどのような契約を結ぶべきかの意思決定や、企業や環境にとって望ましい行動に管理者や従業員を動機づけるための業績測定・評価を行ううえで会計情報は役に立ちます。授業では、自身が直面している問題や置かれている状況を踏まえて、さまざまな管理会計手法の中からどれを選択すべきかを考える思考能力を身につけられます。
会計監査論|小澤康裕准教授

監査の重要性について理解を深められる 講義内容。監査業務に携わる公認会計士 をゲストに迎えることもあります。

財務諸表監査を知ることが未来の自分を守る第一歩

公認会計士という職業を知っていますか? この授業では“株式市場の番人”とも呼ばれる彼らが行う財務諸表監査を扱います。財務諸表監査とは、企業が作成する財務諸表(決算書)を検証し、その適正性を保証するもの。多くの人が「自分とは無関係」と考えますが、監査が適切に行われないと、皆さんとその子孫の懐が痛み、大損することになります。公認会計士とは誰か、どのように監査を行うのか、また、従業員の不正や横領を防ぐ内部統制とは何か、さらに粉飾決算のやり方と発見方法についても解説します。
証券経済論|三谷 進教授

最新の金融・証券のトピックスをわかり やすく解説。証券投資や証券市場の構造 を深く学ぶことができます。

金融や証券のメカニズムを知ることで何が世界を動かしているかが見えてくる

現代の経済システムの下では、証券市場を通じた資金の流れが、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。例えば、バブル期のように株価の上昇が続いていると経済の状況が良いように見えますが、いったんバブルが崩壊すると、急速に景気が悪化して人々の経済活動に大きなダメージを与えます。特に現在は、数千兆円の投資資金が世界中を駆け巡り、さまざまな投資家の行動によって世界経済の構造が大きく変化していきます。講義ではこのような最新の金融の動きを学びながら、現代の証券投資の仕組みや特徴を分析していきます。

国家資格に必要な知識を学べる講義も充実しています

公認会計士試験
株式で広く社会から資金調達する会社は、独立した第三者による会計監査が必要です。その会計監査を行うのが、公認会計士です。会社が公表する財務諸表(決算書)が適正か否かを帳簿などに照らして検証します。公認会計士には、監査や企業会計に関する高度な専門知識はもちろんのこと、経済や法律、経営全般にかかわる幅広い知識が必要とされます。
税理士試験
税理士は、税務に関する専門家として、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適性な実現を図ることを使命としています。経済、会計、法律、経営等の専門的な知識を有する税理士は、多岐にわたる税務について、専門家の立場から代行や相談を行ったり、主に中小企業の経営コンサルタントとして活躍することができます。

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